農場長日記

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黒田養蜂園の黒田様との対談!「企業農家によって生まれる価値」

2020年12月30日

11月末から高糖度フルーツミニトマト「とまおとめ」を出荷し始めたカキヌマファームですが、養蜂園やカフェ・パティスリーを展開する「黒田養蜂園」の黒田和宏氏に同時期にとまおとめを使用したジャムの商品化依頼をしておりました。思考錯誤のうえ「はちみつトマトジャム」が商品化され、プレ販売を通してさまざまな気付きが得られるカキヌマファーム。

この記事は黒田養蜂園の黒田氏、カキヌマファームの販売担当の君島、農場長の伊藤の3人が「企業農家によって生まれる価値」について語った内容を一部抜粋したものです。

黒田和宏氏:1985年栃木県鹿沼市生まれ。有限会社黒田養蜂園専務取締役(四代目)。黒田養蜂園は創業100年(2020年12月時点)になる老舗で、養蜂園に留まらず、氏が29歳の時にカフェを開業、翌年パティスリーをオープン。その後、加工施設として「就労支援A型事業所えいと」を設立する。

(以下、敬称略)

 

【新商品を前にして】

黒田:

このはちみつトマトジャムをお客様に対して、さまざまな角度で提案することができればいいなと思っているんですよ。

 

君島:

そうですね。

ハチミツ・料理のプロの視点から、とまおとめの活かし方を教えていただきたいと常々思っておりまして・・・(笑)

 

黒田:

いえいえ・・・

 

君島:

昨年度はとまおとめをパスタやサラダのメニューに加えていただいて、それを今回は新たにジャムとしてご協力をいただきありがとうございます。

 

黒田:

こちらこそありがとうございます。

いま、お客様からの反応をみて情報を整理しながらにはなるのですが、リーフレットの作成ができればいいかな、と。

 

伊藤:

いいですね、伝え方、大事ですもんね。

 

君島:

作ったものをお客様にお出しして、その反応を見ながら対応していくという体制・・・見習いたいところです。

 

黒田:

多くのお客様に良いと思っていただける商品をどれだけ作り出せるか・・・それが課題ですよね。

 

【企業らしい感覚値】

伊藤:

そもそもなのですが・・・黒田さんは「㈱カキヌマが農業を始めた」ということをどのように思われたのですか?

 

黒田:

驚きとかではないですね。

事業として先進的なことを進めていくことは素晴らしいことだと思います。

身近にそのようなことをされている企業があるということは僕らにとっても刺激になりますね!

 

伊藤:

農家の減少や高齢化といった農業全体が抱える問題は明白にありますから、企業がやることの意味はあるんじゃないかなと勝手に思っているんですよ(笑)

このように黒田養蜂園様と近い関係性で関わることができるのも一つだと思っております。

 

黒田:

そうですね。

 

伊藤:

こんなこと聞くのはどうかとも思うのですが、黒田さんはカキヌマファームとの関わりについて、どのようなメリットを感じてくださっているのでしょう?

 

黒田:

うーん、感覚値ですかね。

黒田養蜂園がまだまだ農家の域を超えられていないと思っているのですが、ビジネスを誰と一緒にやるか。

その際に感覚値ってあると思うんですよ。

 

伊藤:

感覚値・・・

 

黒田:

農家とビジネスの話をするのか、企業とビジネスの話をするのか。

その両者にはスピード感や感覚値ってそれぞれ異なると思うんですよ。

その点、農家でありながら企業体のカキヌマファームさんとなら似たような感覚値をもって関わることができるのはないかと思いました。

 

伊藤:

なるほど!

共通項のようなものですね。

 

黒田:

そうですね。

例えば効率の上でロスとして処理してしまうような食材があったとして、それをお客様が満足いただける、価値ある商品として磨き上げて売上に替えていくのが企業だと思っています。

 

伊藤:

十分おいしく食べられるのに、体制が整っていないがために捨てざるを得ない状況、などですよね。

 

黒田:

ええ。

ロスとして処理されるものが売上になれば生産者は嬉しいことだし、買い手は安く美味しいものが手に入ればそれもまた嬉しいこと、ですよね。

企業間の関わり合いの中で見出される価値・商品があると思うのでそこにメリットを感じます。

 

伊藤:

こちらとしてもそのような視点でメリットを感じてくださるのはありがたいです。

農業が抱える問題を「企業の立場で解決していきたい」という気持ちが空回りしていないかが心配で(笑)。

 

一同:

(笑)

 

黒田:

この感覚値を良く思う人も悪く思う人もいるとは思いますが、感覚値を持てる人、持てない人の違いでもあると思っています。

 

君島:

そうかもしれませんね。

 

黒田:

結局はお客様に評価していただく商品を作っていく作業になるので、どちらがいいという話ではなく、いかに価値を発信できるかが重要になると思いますね。

 

【トマト屋?はちみつ屋?「専門店である」ということ】

伊藤:

生のミニトマト「とまおとめ」を食べてみての感想をお聞きしてもよろしいですか?

 

黒田:

料理人としての意見ではないのですが、確かに甘さを感じました。

甘さをどのように表現すればいいか、どのように違いを伝えていくか、それが僕の仕事なので、そこにはまだまだ難しさを感じています。

 

伊藤:

伝え方・・・

 

君島:

違いの伝え方って本当に難しいですよね。

 

黒田:

そうなんですよ(笑)

例えば同じミルクのジェラートでもさまざまな種類のハチミツを使ってシリーズ商品を作るなどして違いを明確にしています。

トマトジャムでもトマトの品種によってシリーズ化するなどして、「専門店ならでは」の“できること”を示していくことはできるかもしれませんね。

 

伊藤:

なるほど。

生産者の立場からすると、とまおとめを食べてくださる方々の反応を知る機会が極めて限定的なので、HoneyBさんのようにレストランのメニューやジャムとして販売して、お客様の声を聞いている方の意見は大変興味深いですね。

 

君島:

違いの伝え方・・・

 

伊藤:

ミニトマト屋である自覚はありますが、「専門店」という意識は薄かったかもしれません。

 

【価値のとどけ方】

黒田:

違いを明確にするということについては「生産者・売り手の双方」で協力したいところでして、売り手の僕らも生産者の方から学ぶべきだと思っています。

未だ現状のこの段階・規模での「はちみつトマトジャム」は購入のハードルは高くないんですよね。

新しいはちみつの商品を買ってみようという方々が一定層いらっしゃいますので。

 

伊藤:

「【黒田養蜂園】HoneyBのお客様が買ってくれている」という段階ですね。

 

黒田:

そうですね。

次のフェーズに行くには生産者の方それぞれの良さを明確にする必要性が出てきますよね。

「ダブルネームの相乗効果を生み出すこと」それをパターン化して継続させることで地域貢献にも繋がると思います。

 

君島:

まさにそうですね。

 

黒田:

各農家の方の分析も大切ではあると思うのですが、例えば「カキヌマファームがなぜトマト農家を始めたのか」というストーリーを知ることが大事なのかなと思っています。

 

伊藤:

ストーリー・・・ブランド・・・価値・・・

 

黒田:

僕はうちのスタッフに「お客様が思い出を得るための価値を作っているのがここでありたい」ってよく言うんですよ。

なかなかそれを作り上げるのって大変だと思うんですけど(笑)

 

伊藤:

黒田さんのところはカフェ、はちみつ販売、スイーツ専門店…と老若男女問わず、一定時間楽しめるところが魅力的だと思っていて、そういった価値の届け方はとても勉強になります。

 

君島:

ジャムを作ろうと思ったときにも様々な業者様を紹介していただいたんですけど、先ほどの話にも繋がりますが、黒田さんと組ませていただいた方が説明をしやすいんですよ。

 

黒田:

説明しやすい、というと?

 

君島:

企業はやはり思いがあって動きますから、カキヌマファームと【黒田養蜂園】HoneyB様の思いの掛け算、価値を創造していく過程もストーリーとして伝わりやすいかな、と。

 

伊藤:

そのために私たち生産者目線のストーリーをもっと買ってくださる方々に発信していく必要性がありますよね。

 

黒田:

なるほど、そうしていただけると売る方としてもありがたいですね!

 

【私たちは誰に届けているのか】

伊藤:

高単価のとまおとめですが、使うことのメリットをどこに感じていらっしゃいますか?

 

黒田:

当店のお客様は、はちみつの魅力や、食という分野に関して感度の高いお客様が多いと日々感じております。

その中で素材にもこだわるのは当然であると考えています。

その感度の高いお客様に商品を届ける際に高単価であっても価値の高い素材を使用するのは必然ですし、当店でもその素材を使わせて頂いているということを伝えられることがメリットであり、より価値の高い素材をより楽しんでほしいという想いがありますね。

 

伊藤:

女性の社会進出、少子高齢化社会、コロナ禍・・・モノや情報が溢れる社会ですから、質にこだわってつくる側としたら健康に寄与できるものを提供していく使命感のようなものはありますよね。

 

黒田:

健康意識、それがどこまでお客様に伝わっているかのデータは取れていませんが、そのように考えて商品展開をしていますね。

 

君島:

黒田さんは総合的にその価値を届けていらっしゃるから凄いですよね。

 

黒田:

まだまだですけどね・・・(笑)

 

君島:

ミニトマトとして売るうえでもコンセプトは重要だと思っていて、一年目の始めたばかりの頃は、甘さ・糖度に固執している面もありましたが、販売していくうちに「トマトが苦手な子どもがこのトマトは食べられる」といった話を多くいただいたもので、嗜好品・健康需要は確かにあるなと思いましたね。

 

黒田:

そうなんですね。

 

君島:

そもそも弊社はもともと携帯ショップの代理店やガソリンスタンド、コインランドリー、車検といった生活の基盤となることに携わることが多かったので、当然、農業を始める以上は生活に寄与するという側面は大事にしたい部分ですね。

社会的にも健康は現代の大きなテーマですよね。

 

伊藤:

黒田養蜂園様とカキヌマファームの見ている方向性は、異なる食材からにはなりますが重なる部分がありそうですよね。

 

黒田:

そういった意味でもダブルネームで売り出していく理由や目的を具体的に正確に説明できる準備は整えた方がいいなと思いますね。

 

君島:

確かにゴルフ場でミニトマトを買う方、直売所で買う方、HoneyBで買う方、それぞれ受け取り方は違いますよね。

 

黒田:

作っている方々が、自身が作りだすものに付加価値をどのように見出すことができるかが重要だと思っていて、それは一般的な農家さんの得意分野ではないと思うんですよね。

 

伊藤:

生産・販売を別個に考えず、相乗効果を活かした展開が重要、ということですね。

健康は今後の課題になりますし、その価値を私たちはもっているでしょうからね。

 

君島:

今回は私たちのわがままでお時間をいただきありがとうございました。

 

伊藤:

ありがとうございました。

 

黒田:

ありがとうございました!

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